14連敗の記録 — 棄却された仮説たちと、それでも残った1本
1. スコアボード
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1. 一言でいうと
記事5で見たとおり、実行済みの実験のうち明確に生き残った仮説は1本だけでした。EXP-0009です。ただしその結論は「勝てる」ではありません。1約定あたりの利益が −1.53bps から +2.53bps の間のどこか(bps:1bp=0.01%)——つまり符号すら未確定の区間です。本稿ではこの区間の中身と、白黒をつけるための3段階の計画、そして「答えが出る前に決めてある終わり方」までを1本のフローとして示します。
「GMOコインのETH_JPYは取引手数料無料」——それでも、取引には確実にコストがかかります。この記事では、本プロジェクトが実測した数字だけを使った四則演算で、「始める前に負けが決まる」構造を確認します。以降のすべての実験は、この算数の上に立っています。
本プロジェクトには、自分たち自身の手で記録した最大の自己批判記録があります。「ベンチマークとの差がわずか−69.80円」という一見輝かしい結果が、統計的にはほとんど意味を持たない数字だったという話です。この記録は削除されず、公開ドキュメントとして残されています。本記事ではそれを教材として読み解きます。
前回の記事で、このプロジェクトの主戦場であるGMOコインのETH_JPYでは「往復コスト5.6bpsを上回るエッジ(統計的優位)がなければ始める前に負けている」ことを確認しました。では、そのエッジを過去データから探すとき、何が一番危険なのでしょうか。答えは市場ではなく、自分自身です。この記事では、「過去データで勝てる戦略を探すと、なぜ偽物のエッジを掴むのか」を説明し、本プロジェクトがそれを防ぐために組み込んだ5点セット——ホールドアウト法、コードによる強制、事前登録、プラセボ統制、試行台帳——を紹介します。次の記事4(失敗事例)の理論編にあたります。